大連へ行ってきました
「坂の上の雲」を読んで以来、大連へ行ってみたいと思っていましたが、
一人ぶらり旅をしてきました。
3泊4日の旅でしたが、急遽、行くことにしたのでツアーに参加できず、フライトとホテルだけを取って大連に乗り込みました。
一人旅で、困るのが食事の時です。一人なので話し相手もいないし、頼む量も多くなりがちで、食べきれないことが、よくあります。
大連は海鮮料理が有名ということで、初日は海鮮レストランへ行きました。中に入ると、担当の女性がいけすの前へ案内してくれて、何が食べたいかを聞いてきます。でも中国語なので、全くわかりません。もう適当に頼んだら、ゆでたシャコが沢山出てきました。美味しいけど2−3本で十分かなっと。最後は堅い甲羅を指でむしっていたので、指が傷だらけになり痛みました。
100年以上前に日本人が建てたホテルですが、今でも、大事に使われています。歴史を感じる建物と最近建てられた近代建築が混在しています。
大連駅はなぜか懐かしい雰囲気がありますが、それもそのはず、上野駅を模して造られたそうです。
2日目は大連から400キロ離れた瀋陽へ高速鉄道で向かいました。
時速300キロを超えるスピードで爆走する中国が誇る高速鉄道です。ノーズがとんがり、かっこええなと、この写真を撮った直後に、駅にいた警察官にどなりつけられました。
「何だ、この野郎。何してるんだ!」的に大声でどやされました。撮影禁止だったのでしょうか?良く分からなかったので、ニコッとして立ち去りました。カメラは没収されませんでした。
九・一八歴史博物館。
満州事変のきっかけとなる事件が起きた場所に建てられた博物館です。
反日デモが、このあたりで行われることがあるそうですが、
日本人にとっては非常に心に重く感じる展示が延々と続きます。
瀋陽といえば餃子の本場!絶対に餃子を食べなければということで、老辺餃子というお店に入りました。後で聞いたら、新宿にも支店があるそうな。
綺麗な店内で、かなり垢抜けした感じのお店です。日本から、はるばるやって来たので、本場の水餃子への期待は高まります。一人で食べ切るのは無理を承知で、2種類の水餃子を注文しました。
お味は確かに美味しい。熱々の時はね。でも、冷めると、やはり不味い。これなら、どこで食べても同じじゃないかと。わざわざ餃子を食べるだけで中国には来ないなと妙な感想をもって店を出ました。
3日目はいよいよ旅の目的であった旅順観光です。203高地の頂上に慰霊塔が建っています。
ここで2万人といわれる日本兵が犠牲になったそうです。攻略するまでの話を小説で読んではいますが、実際はどんな戦いだったのかは、わかりません。 今は舗装された道ができており、ゆったりとした傾斜の道ですが、ここを真っ直ぐ上がろうとすると、かなりの傾斜になります。今は一面、松の木で覆われていますが、当時は、全ての木を切り倒して、はげ山にして露軍が防衛網を築いていました。
その上から機関銃で打ちまくっていたのを想像すると、とても銃弾を避けられそうもありません。
ロシア軍のトーチカ。無数の弾痕がありますが、厚いコンクリートでできていたので、びくともしなかったそうです。
トーチカの入口は女性の顔です。遠い異国の地で戦うロシア兵が祖国に残した女性を思い、女性の顔にくり抜いたそうです。とても綺麗で、芸術的です。
水師営会見所。203高地陥落後に乃木将軍とケッペル中将が会談をした場所。
旅順を案内してくれた中国人ガイドの林(りん)さん。 娘さんが一人いて、奥様も共働きだそうです。
お小遣い制で、奥様が財布を握っているそうです。大連郊外に20年ローンでマンションを買って、通勤時間は30分程。うーん、日本人のサラリーマンと同じようなライフスタイルですね。
着ているジャケットもブランド物でした。10年以上着ていて、ダウンが出てきてしまう、ちょっとダサ目の私の恰好より、よっぽどオシャレでした。
円安で、物価が日本より高いのではと思う場面がよくありました。
スタバのカフェラテ(グランデサイズ)は30元。日本円で600円(1元=20円換算)。高いなあ。
最後の晩は、一人ではさびしいので、ガイドの林さんを誘って四川風火鍋の店へ行きました。大連だけど四川?でしたが、林さんが、たぶん凄く辛いから、辛さのレベルはちょい辛を選んでくれました。
私は辛いのは大丈夫なので、中ぐらいの方が良いのではと思ったのですが、ちょい辛で正解でした。
いや、出来ればちょい辛以下でも良かった。四川風火鍋恐るべし!唐辛子と山椒の辛さが尋常でない。肉をしゃぶしゃぶして口に入れた瞬間に、強い刺激が走り、鼻水がしたたり落ちます。食べるたびに、ティッシュボックスがら1枚取り、鼻を押さえて鼻水を止める。
その繰り返しで私のテーブルにはティッシュの山が出来てしまいました。
隣の林さんは辛くないというものの、額から玉の汗。何度もハンカチで、額をぬぐっていました。余りにも辛かったので、牛肉と羊肉を一皿づつしか食べられませんでした。最後はうどんで締めとなりました。二人とも、お腹一杯になり、青島ビールを3本飲んで、締めて220元(4,400円)でした。地元の人で、賑わう店でしたので、リーズナブルなお店でした。
ガイドの林さんによると、最近の円安と人件費高騰により、日本からのビジネス客も旅行客も減少しているとのこと。日本人の影は薄くなりつつあるようです。 その反面、大連のお客さんを日本へ、今年は10回も連れて行ったそうです。日本への旅行は、5泊6日で大阪、京都、名古屋、東京を回るのが定番だそうですが、旅行代は約12万円。国内旅行をするのと、ほほ同じ料金だそうです。
なるほどですね。今時の中国事情を肌で感じた旅となりました。
業務統括事業部 新保